花の名は、ダリア
コレは酷ェな。
悪ィコトしたな。
…
あれ?
でも、ちょっと待って?
「『私は傷つかない』とか、貴方言ってませんでした?」
目を瞬かせながら、ソージは訊ねる。
「傷ついたの!
ソージにあんなコト言われたら、傷つくの!」
ますます頬を膨らませて、ダリアは訴える。
「まじか…
ごめん…」
小さく呟いたソージは、真っ直ぐに睨み上げてくるダリアの肩にコテンと額を乗せた。
脳が混乱を極めているせいで、口調まで素になっちゃった。
この人、なんてったの?
涙の結晶のような瞳で『私は傷つかない』なんて言う、この人が。
痛みを自覚できない、この人が。
「…
まさか… 貴方が…
俺の一言で『傷ついた』なんて…」
「む。
この会話の流れ、知ってるわ。
カウパー?またカウパーなの?」
「いえ… 嬉しいです。
ただ純粋に、嬉しいンです。」
だってそうだろ?
俺のつけた傷にだけ、貴方は痛みを覚えるんだ。