花の名は、ダリア

「会えた!
とりあえず、ダレかの執務室っぽい部屋の、机の下に隠してきた!」


「…
ダリアは?」


「俺らを逃がしてくれて…
きっとまだ、ナチス共と一緒に手術室にいるンだ!」


「…
で? おまえは?」


「ダリアさんを助けに行くには、武器がいるだろ?
ダレかから奪おうと思って、見つけたヤツに襲いかかったら、おまえだったンだ!
ゴメンな!」


「…
『ゴメン』じゃねーよ、このバカクソガキ。」


ソージは棍棒でトントンと肩を叩きながら、呆れた顔で首を傾げた。

ヨシュアはムっとしたように唇を尖らせたが…

ゎぁぁぁぁぁ…

割れた窓の外から、遠く聞こえてきた喧騒に、顔色を変えた。


「アレ、なんだ?」


さぁ?
なんだろね?

ソージが目を細め、片方の口角だけを持ち上げる。


「ココに来る前に囚人棟を幾つか開放して、目についた将校共をガス室に押し込んだ挙げ句、兵舎に放火してきたから…
なんか始まっちゃったカモ?」


…ナンダッテ?


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