花の名は、ダリア


そんなこんなで、コーナリマシタ。

黒い袴下。
黒縞袴。
そして、浅葱色のダンダラ羽織。



コレ、もはやコスプレじゃねーよ。

一昔前のリアルだよ。

やたらとデカい鏡に映った自分の姿を見て、ソージは深い溜め息を吐いた。

自分的に違和感なさすぎ。

けれど隣に立つ麗人は、同じ格好をしているクセに異彩放ちすぎ。

ナニを着ててもやっぱフェアリー。

だが、凛々しさ五割増し。

髪を結ってうなじが露になったせいで、艶っぽさは倍増。

オカシィな。
肌の露出なんて、ほとんどナイのにな。

なんでそんなにエロいの。

おかげで、ドイツもコイツも、男も女も、ポカンと口を開けてガン見してきやがる。

こっそりカメラレンズを向ける、不届き者までいやがる。

ソレはダメだろ。
一声かけるのが、マナーってモンだろ。

睨むだけで逃げてくヘタレばっかで実害はないが、数が多くて地味に疲れる。


(人目が気になるっつーか、人目で身体に穴開きそーなレベルじゃねェか…)


ソージは嫌そうに眉を顰め、会場を見渡した。

< 336 / 501 >

この作品をシェア

pagetop