花の名は、ダリア

─僕が中止の連絡を入れなければ、ミニライブ中のステージに『穢れし者』は投入される─

確かにサムはそう言った。

ソレってつまり、サムの連絡を受けるダレかがいたというコトだ。
投入の時間を待ち、見るからにもう人間ではなくなった異形のモノと、スタンバっていたダレかがいたというコトだ。

そして本当に、イベント参加者たちの中に『穢れし者』を放った。

そのダレかは、知っているのだろうか。
それとも、知らないのだろうか。

もしも邪魔が入らなければ、自らの手が大量虐殺の引き金を引いていたことを。

知っているなら、サムと同様イカレすぎヤバい。

知らずに騙されているなら、洗脳されすぎヤバい。

要するにどう転んでも、一見平和なこの島は危険なワケですよ。

『使徒の国』のミナサマが仲良く『穢れし者』化しちゃって。

喜び勇んで襲いかかってきて。

その喰わせろ攻撃を掻い潜り、ラスボス・サムを倒し、孤島を脱出したトコロでエンドロールとか、ソレ、なんてサバイバルホラーゲーム?的な展開が予想されるワケですよ。

正直、一人でゲームに参加したかった。
ダリアにはお留守番しててほしかった。

が、そんな願いが叶うハズもなく、


『私を置いてっちゃうの?』


なんて、潤んだペールブルーの宝玉で見つめられ…

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