インナーラブ~恋の相手はイケメン上司~



「期待しちゃうのは・・・私の方です。部長は思わせぶりです。」




何言ってるの、私・・・



カクテルに伸ばした私の手を、部長が止める。




「・・・踊ろか。」




部長はさっと立ち上がり、右手を私の前に差し出した。



私はその右手にそっと左手を乗せた。



優しい雰囲気の音楽が店内に流れていた。




初めて手を握られた。



知らなかった。




部長の手は、柔らかい。




大きくて、温かくて、柔らかい。





両手を握られて、ゆっくりと揺れる。



踊ったことなんてないのに、部長の手に包まれて、自然に体が揺れていた。



腰に手が回された。






< 25 / 34 >

この作品をシェア

pagetop