一冊の手紙Ⅱ
第Ⅰ章
放課後
[ 彩葉side ]
放課後の教室は、いつも明るく賑やかだった。
高校に入って、最初の1か月だからだろうか。
放課後になっても、みんななかなか帰らないで話している。
私の名前は一ノ瀨彩葉(イチノセイロハ)。
どこにでもいる、普通の女子高校生。
「彩(アヤ)ちゃんたち、まだ帰らないの?」
「ちょっと待ってる人がいるから」
「そうなんだ~、じゃあまた明日~」