殺戮
帰り道で気付いて立ち止まった。パトカーのサイレン音が近づいてくる。いや、僕が近づいているのだろう。しかもそれは僕の家の前で止まっている。僕は慌てて走り、家の前へ来た。
丁度出てきた警察が僕に気付いたらしい。僕に近付き膝を屈して、同じ目線になる。

「君は、このお家の子かい?」

「うん、そうだよ。おまわりさん。どうして、わたしのいえにきているの?」

大体、此処に警察が来る理由は分かっていた。誰かが警察に通報をしたか、若しくは奴が母さんを殺したか。その選択肢のどちらかだと思っていた。

「実はね、君のお父さんが亡くなったんだ」
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