正しい小鳥の愛し方【愛を知る小鳥 特別番外編】
愛しい小鳥と新たな未来を
その日は朝から澄み渡った空が広がっていた。
はぁっと吐き出した白い息がゆっくりと青空に溶け込んでいく。

年が明けて間もなく、巷にもようやく日常の感覚が戻ってきた頃だった。




「専務?・・・専務?!書類ここに置いておきますよ?」

ハッとして目の前を見ると成田が至近距離にいて思わず声が出そうになる。

「あ、あぁ」

平静を装って慌てて書類を受け取って中を開く。
だが、本来ならすぐに部屋を後にするはずの成田がいつまでたってもその場を動こうとしない。不思議に思った俺は顔をしかめて成田を見上げた。
だが、その成田も同じように眉を潜めて俺を見下ろしていた。

「・・・・何だ?」

「・・・・いえ、あの・・・書類逆さまですよ?」

「えっ?!」

バッと己の手元を見ると見事に真っ逆さまの書類がそこにはあった。
これは・・・・・恥ずかしい。
成田の視線が痛い。

「・・・ゴホンッ、まぁとにかくだ、ちゃんと目は通しておくから問題ない」


何が問題ないのやら。
全く説得力はないが俺は無理矢理納得させると成田を部屋から追い出した。
最後の最後まであいつはジト目で俺を見ていた。

くそ~、成田の奴め、ここぞとばかり・・・・


はぁっと特大の溜息をつくと今度こそ書類に目を通した。
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