褐色のあなたに水色のキミ
『好き』かもしれない
「ごちそうさまでした」


「いえ…。こちらから誘ったから…。もう遅いし、家まで送ります」


駅前から、靫公園の方向に歩いた。美味しい食事にスイーツまで堪能したのに、
まだ帰りたくないと思っていた。


「ありがとうございます…」


「朝倉さん、堅苦しいから…敬語はやめませんか?」


「えっ…あ、そうですね…」


「言ってるしりから、敬語やし!」


福岡さんが、ケタケタと笑った。私も、つられて笑った。たわいもない話をしながら、冬の夜道をゆっくりと歩いた。春日園の自販機で、福岡さんが足を止めた。


ホットの『お茶日和』を選ぶと、私に差し出した。


「あ…ありがとう」


「寒そうな顔、してるから」


目が合うと、お互いに気まずくなる。なんだか、恥ずかしくてたまらない…。


な、なんや?この気持ち…。福岡さんの気遣いに、ドキドキさせられて…る?




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