褐色のあなたに水色のキミ
肥後橋から堂島まで歩いて、美味しいプリンが有名な洋菓子店に向かった。


おしゃべりしながら、ぶらぶらと歩く。並んで歩いているほうが、目が合うこともなく、緊張しない。その分、話も弾んだ。お酒はたしなみ程度にしか飲まない分、よく食べる。甘い物も大好きだと言う。


「あ…ここを曲がって…ここかな?」


それらしき店を見つけた。ほとんどの客がテイクアウトらしく、店内の、3つのテーブルには誰もいなかった。


名物のプリンは、カラメルをバーナーで焼くから、カリカリとしていた。そのカリカリをスプーンでトントンとしながら潰す…。


「わっ!すごいな、コレ」


思わず、スマホでパチリ。


「いっただきまーす!」


名物のプリンを前に、誠人くんのことを忘れて、すっかりテンション上がってしもたわ…。目が合うと…恥ずかしくてたまらなかった。


「あ、ごめん…。いい歳して、テンション上がってしもたわ…」


そう言うと、誠人くんは、ボソッと呟いた。


「かわいいよ」


聞き間違いじゃなければ、そう言ってくれたはずだ。

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