薬指の約束
卒業
卒業式

この制服に腕を通すのも今日が最後。
丁寧にリボンを結ぶ。

今日の朝、ゆやに会うんだね。ゆやと話すの、久しぶり。
緊張する…


「ふうー!?朝ごはん食べてー!」

下からお母さんが呼ぶ。

「はあい!!」

ふわふわのクロワッサン!!
いい匂い~~~

「ちょっとふう、スカート短くない??」

「えー??いつもと同じなのに~」

「今日卒業式でしょー!いいのー??」

「うーん… じゃあ1個だけスカート降ろそっかなぁ」




今日はいつもより早めに家を出た。
気をつけないと走っちゃうくらい、ゆやに会いたかった。


いつもの公園で待ち合わせ。

待ち合わせの時間より早く着いちゃった私は、懐かしいブランコに乗った。




「ふうか!!」


「ゆや!おはよ~」


「おぅ!」

私はもう泣いちゃいそうだった。
わざとゆやから顔を背けた。

「ゆや、話って??」

「うん、ふうか、こっち向いて??」

唇を噛んで私はゆやを見つめた。

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