シャイン
「そういや、イノセンが心配してたよ?」
「…イノ、セン…?」
なんだその、カタカナ。
俺が思ったことを察したのか、プッと吹き出した。
「井上センセイ。略してイノセン」
「ネーミングセンス、ねぇんだな」
井上って、そのままで良くね?
イノセンって…、
「良いでしょ。秀司も呼びなよ。イノセンって呼んだら、喜んでくれたし」
「別に喜んでもらいたくねぇけど」
「多分秀司が呼んだら、もっと喜ぶんじゃない?」
「…なんで」
「秀司のこと、心配してたって言ったじゃん。
秀司、お気に入り決定かもね」
ニヤリと笑う小暮と、その言葉にゾクッとする。
「そんな、あからさまに嫌な顔すんなよ。
担任に気に入られて、何が悪いんだよ?
おまけに、二十代独身だし」
おまけ、要らねぇな。
そこでまたニヤニヤするお前も、要らねぇ。
お気に入りとか、勘弁してくれよ。
第一、そんなことあるわけねぇじゃねぇか。
イノセ…井上みたいな奴は俺みたいなのが一番嫌いそうだし。
今朝の屋上でも、結構俺にビビってたし。
そのくせ、意外としつこそう。
どうせ構ってくんだろうな。
…ダブらせないために、退学させないために。