星降る夜に。
これから、か。

確かに仕事はまだまだこれからだ。
やっと軌道に乗ってきたし、そこそこ普通に生活出来るようになった。


恋はもうしないと思っていた。


10年以上前に別れてからずっと相手がいない。


結婚しなくても困らない時代だし、女遊びがしたければそれはお金で解決出来る。俺だって男だし、一度もないとは言わない。



ハタチから5年付き合った相手とは結婚へのズレで別れた。

俺は当時、店を立ち上げた借金があったし、店も全然儲かっていなかった。そんな状況で結婚したって上手くいくとは思えない。

彼女は20代を無駄にしたくないと言った。女と男の20代は違うのだろうと今は分かる。



恋人を作る余裕もなく働いた。

横村は学生時代から付き合っていた彼女と結婚して子どもが生まれた。
だからこそ俺を心配して旅行に行かせたんだ。せめて恋くらいしろ、と。




莉子と再会したとき、心臓が止まるかと思った。

制服姿で長い髪をポニーテールにしていた。
あのときとはまた違う印象で、変わらず綺麗だった。
ネックレスも身につけてくれていた。
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