星降る夜に。
「だけど私はずっと疑問に思っていたんです。本当に好きで付き合うならいい。初めは恋愛感情がなくても好きになることは誰にでもある。でも実家を救ってくれた相手と、って…何かあるんじゃないかと」




それでお姉さんは結婚が近づく莉子に、リゾートのチケットをプレゼントしたという。

アバンチュールでもいいから羽を伸ばしてこいと。

莉子は俺と過ごしたことを二人に話していたらしい。




「ハッキリしたことは言いませんでしたけど、莉子は今でも吉岡さんが好きだと思います。吉岡さんに惹かれていたと言ってましたから…。長い付き合いだから分かるんです、莉子の気持ちは」



村田さんはこうも言った。


“この結婚はきっと、身売りです”と。




「最初は事情を知らずに玉の輿だなんて言ったりしましたけど…それから莉子が話してくれて、みんなを守りたいからいずれ結婚するって。それでも付き合っていくうちに、高城さんを好きになったと思います。でもそれは上手く言えないけど…ときめきじゃなくて、この人ならいいかっていう、そういう感情じゃないかと思って…」




莉子と付き合いがために助けなんて、殴ってやりたくなる。
姑息な手で人生を縛ろうとするなんて最低だ。
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