星降る夜に。
もっと触っていてほしいと思ったけれど、指は離れてしまった。



「これ、莉子にプレゼントするから使って」


「ありがとう」



突き返すことだって出来るのにそうしなかったのは、夢を見たいと思ったからだ。
いけないことだと分かっているのに、そう望む自分がいる。



「莉子はどうしてここに来たの?」


「姉がプレゼントしてくれたの。羽を伸ばしてきなさいって。姉は5歳の娘がいて妊娠中だから何かとお金がかかるし、家族で行ったら?って言ったんだけど…」


それなのに姉は私のために大金を使って送り出してくれた。



「それなら楽しむのが一番だな。相手は喜んでほしくてやってるんだから。俺はさ、さっき言ったダチから長年のボーナスだってチケット渡されて。長いこと彼女いないから、そいつのほうがヤキモキしちゃってんの。GWに仕事しないなんて初めてだよ」



大輔さんは苦笑しながらそう言った。

私といることで時間を無駄にさせてしまう気がする。
だけど実は婚約者がいるなんて言えない。言いたくない。
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