星降る夜に。
素直になっていいのなら嬉しすぎて叫びたいくらいだけど、私にはそれが出来ない。泣かないように大きく深呼吸をしてから、大輔さんを見つめた。



「…ごめんなさい。私はこの島に、夢を見に来ただけだから」



感情が出ないように淡々と言った。大輔さんは眉間に皺を寄せている。わけが分からないといった表情。当たり前の反応だ。



「夢…?どういうことだよ」


「恋をしに来たんじゃないってこと。だけどこの3日間、本当に楽しかった。大輔さんだったから楽しめた」



他の男性だったら誘いに乗らなかったと思う。ここは一人だって楽しめる施設が色々あるし、元々そのつもりだった。大輔さんだから誘いに乗ったし、一緒にいたかった。触れてほしくて、抱かれたかった。



「俺は、莉子も俺のことを好きでいてくれてると思ってた。だって莉子、軽い女には見えない。それとも俺のこと、そういう男だと思った?」


「思ってない!一度もそんなこと思ってない。だけど私はダメなの」
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