Revive



僕と空野は2人で屋上を出た。
階段を降りて教室へ向かう。
夢野は僕の隣を歩いていた。
初めて会った時から、眼帯をしていない左目は
優しい目をしていたし、
それは今だって変わらない。
なぜみんな夢野を避ける?
僕がいくらそのことについて考えても
答えは見つからない。
教室に入ると、夢野と一緒にいる僕を見た田口達は
やっぱりかと言う顔をしていた。

僕はこれでいつでも夢野と話をすることができる。
みんなが僕のことをチラチラと見ていた。
僕は何も間違った行動はしていない。
そう思いながら自分の席に座った。


「1人が好きだって言ってたけど、
あれは本心なの?もしそうなら僕は、
夢野の邪魔をしていることになるよね」

僕は帰り道、夢野にそう言った。

「好きってより、もう慣れてるんだ。1人には。」

夢野は歩きながら言う。

夢野はいつから1人だったのだろう。
僕がそれを聞いてもきっと答えてくれないだろう。

「あ、飛行機雲。」

僕は空を見上げて言った。

「僕は空を見上げ、翼を広げて飛び立つ!」

僕は夢野を見る。

「空野翼の夢はパイロット・・・なんて言ったらカッコイイだろ?」

僕はハハハッと笑った。

今日の僕は気分が良かった。






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