Revive





もう夜中の2時を過ぎていた。
僕と夢野がこうしてお互いの過去を言い合っていくうちに
信じられない事がどんどん起きていく。
僕は夢野に、少年が出てくる夢の話をした。

「たしかに・・・俺と同じような経験をしている少年だ・・・
それが俺だとしたら、凄い夢を見たな」

夢野の表情はもう落ち着いていた。

「たしかに俺はあの時、父親から逃げて隠れた。」


僕が今まで何度も見てきた少年の夢は
きっと夢野の過去の一部なんだ。
あの少年は夢野の小学生時代で、
あとは夢野の父親と母親。
僕は夢野に会う前からこの夢を見ていた。

「僕は夢の中で少年を助けたかった。
どうして部屋の中でそんなに怯えているのか。
何度も同じ夢を見て、
僕はいつまでたっても何も出来ないままだった。
夢だから当たり前なんだけど。
でも近付こうとすると目が覚めてしまう。
夢の続きが見られたのはつい最近だ・・・
それまではずっと同じところで終わってしまう」


夢野。その右目がなぜ痛むのか、なんとなく分かる気がする。
その痛みはきっと、心の痛みと同じだ。
そして、その目はずっと父親を恨み続けてる。
父親によって呪われた目と言われれば
僕にはそれも理解できる気がする。
夢野・・・君はその時からずっと1人だったのか?
父親と母親をなくし、更にその右目を閉ざし、
1人でここまで生きてきたんだ。
父親の死と医者の死、そして青木直弥の死。
原因不明の痛み・・・
その痛みは父親が母親を殺した時から始まった。

能力もしくは呪いか・・・。
いや、ありえない・・・。
そう信じてしまったら、僕は・・・。





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