Revive



「全校集会だ」

僕は思い付いた。

「今度の全校集会で
体育館に全員が集まった時、
僕はみんなの前で夢野の右目を見る。
もちろんみんなが夢野の右目を見ないように
僕と夢野だけがステージにあがる。
そして僕達が向かい合う形になれば、
みんなは夢野と目が合うことはないだろ?
夢野は僕だけを見てくれ。」

本当は今ここで外してくれても構わない。
しかし、それではみんなパニックになるのが目に見えていた。

「もし、それで空野が死んだらどうなるんだよ?」

田口が僕に言った。
僕に話しかけてきたのは久しぶりだった。

「僕はしなない・・・。
もし僕が死んだとしたら・・・」

僕がそう言いかけた時、

「その時は・・・学校を出ていくさ」

と夢野が言った。

「俺はもうこの学校にはいられない。
当たり前だろ」

教室が静まり返る。

「と・とにかく!その話はここまでにして
授業を再開しよう!!」

と先生が僕達に言う。

「そうですね」

夢野はそれだけ言うと教科書をペラペラめくった。

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