【完】宝探し―世界で一番愛しい人は―
キノくんが転校してきたときのこと
よく覚えてる。
今とは全然違って
ちょっと怖かった。
誰も寄せ付けようとせず
いつも一人で。
よく虫を机の上にのせていじってた。カマキリとかゲンゴロウとかカエルとか
さすがに浮いてた。
先生に注意されても聞かないで
いや、注意されたあとはちゃんと虫かごに入れてたかな。
顔は整ってたけど
あまりに話さないし虫の印象が強すぎて変人扱いされてた。
ヒロちゃんだけは毎日キノくんに笑顔で話しかけていて
だんだん普通に会話してるのを見かけるようになった。
「話してるうちに、キノは趣味の多いやつって分かって、
ゲームとか漫画とかお笑いとか好きだし
知識も雑多で
もっと皆と話せばすぐ仲良くなれると思ったけど」
「なんでだろ」
「さあ。もともと人見知りだと思ってたけど
なんかあったのかもな
まあ今はまだましか
文化祭でちょっと変わった気がする」
「それは思うよ」