『死』と言う名の何か【短篇集】

子犬

彼は自分の人生を恥じていた。

今までの自分の生き方を思い返していたからだった。


中学の頃、ガラの悪い連中と連むようになり、それから彼は世間で言う『不良』になっていった。

授業中も階段の踊場で仲間達としゃがみ込んで、授業には出なかった。

万引きに恐喝など『悪い事』もいっぱいした。

しかし、彼はそれがカッコイいのだと信じていた。

そんな彼を担任は、見捨てた。

親までも彼を見捨てた。

だが、彼は煩わしい大人に干渉されなくなったと、喜んだ。
< 9 / 23 >

この作品をシェア

pagetop