Mr. Unknown
ハンマーチャックの証言
 イカれ野郎は散々見てきたし、見送っても来た。


 この手でも多くを送ってやったもんさ。

 

 だが、あいつには頭が下がったね。


 死ぬのは怖くないって野郎は散々見てきたが、

 追い詰められれば漏らして泣きつきやがる。


 ラミノフの小僧共は若く、

 チャーチの頭は先に天国へ行ってた。




 だが、あの男はまともで狂ってた。


 俺が虚勢を張ってるのもお見通しさ。


 誰でも銃を頭に突きつけられりゃ怯むだろ?


 
 奴は笑ってたよ、心の底から。




 「変わった挨拶だ」ってな。


 そして俺に同じ事をして見せた。



 「さよならの挨拶か?」



 俺は奴の目から目が離せなくなっちまった。


 本気だったね、

 死んでも良いってそんな覚悟をした目だった。

 
 本物のガンマンだ、

 死よりなめられるのが嫌いな男だ。

 
 気にいらなけりゃ、死神にも唾を吐くような男だった。


 あいつは腕利きのガンスミスからの紹介だった。

 
 腕の立ちそうな男が寄ったら紹介しろと言って言たのさ。


 奴の第一声が


 「お前がタイタンズか?
     
        成る程悪人面だな」


 な?誰でも銃を眉間に突き付けたくなんだろ?



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