人気者の君は不器用で…
あんたのせいで
「ねぇ、」


私は帰り道を歩いていると誰かに肩を叩かれた。



舞かな?と思って振り返ると、見覚えのある方達だった。



ーー優也くんファンの方達だ。



「なんでしょうか?」


私は振り返り優也くんファンの方達と話す体制を取る。



多分言われることは一つだ。



「あなたと優也くんってどういう関係なのかしら?」

ファンの中のリーダーっぽい人が私に問う。
この話し方からしてお金持ちなのかな?




「特になにもありませんけど。」



そう、なにもない。


悔しいことになにもない。私がすきなだけなのよ。




「なにもないのに、優也とか呼んだり一緒に遊びにいくわけ?」



「優也が誘ってきたから遊びに行ったんですよ。」



「優也って呼ぶのは?」


「優也が呼べって言うから。」



「意味わかんない!なんにも気持ちが無いなら優也くんの隣から離れろよ。優也くんと遊びたい人とか優也って呼びたい人とかたくさんいるんだよ!なんにも気持ちがないくせに優也くんの隣陣どるなよ。」


そう言いながらファンクラブのリーダーさんは私を押した。



その拍子に私は倒れる。



「っ……。」


痛い。



「私たちを怒らせたこと後悔しなさいよ。」



そう言って皆が私たちを叩いたり蹴ったりしてくる。



私はうずくまったまま知らないうちに優也が来ることを祈ってた。




「にい……はらさん?」


え……。

優也が?来てくれれたの?



嘘だ。どうして、帰る道違うのに。どうして?



神様ありがとうございます。




「ゆう……やくん。」



私をいじめてたファンクラブの方達はびっくりした表情で優也を見ている。


「おい、なにしてんだよ。」


「あのね、優也くん違うの。こいつが、こいつがね……」



「新原さんになにしたんだよ!!!」



優也はいままで聞いたことのないくらいの大声で叫んだ。


「ごめん……なさい。」



ファンクラブの方達はこの場に耐えきれなくなったのか逃げた。



この場に残ったのは、私と優也だけだった。
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