人気者の君は不器用で…
この発言に舞も黙ったまま。


わたしの腕時計の針が2周くらいした頃舞はやっと口を開いた。


「ほんと……?」
「え、ええええええ、えーっと……今の!忘れて!!!」



私は急いでいちごみるくを飲み、参考書をしまい食べ終わっていたお弁当を片付けて逃げるように校舎の中に入った。



ため息をつきながら廊下を歩いていると向こうから誰か走ってくる。



「新原さーーーん!!!!」



え、わたし!?あ、高原優也……!!!



え、ちょ、まってぶつかっちゃうよー!




防御しようと頭の前に手を出した時高原優也は止まった。



「あっぶねぇー。」
「ほんとだよ!」



高原優也はほこりがついたのか服をはらった。



「で、なに?」
「あー!そうそう。放課後あそべないかなーって!」




……は?





ちょっと待った。





状況を整理しよう!





高原優也はわたしに向かって走ってきた→ぶつかりそうになった→そして私に放課後あそべないか誘って来た。



……うん。
おかしいよね。こんなこと。夢だ。




無視して帰ろうと振り向いた時、すさまじい殺気に気づいた。




…………………………。

高原優也大好き女子が私に向けてすさまじい視線を浴びせてる。




「え、えーっと……ははは。」


後ずさりしようとすると高原優也は私の腕を掴み引きずった。(あのね、引きずられるのって意外といたいのよ!)


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