手の届かないキミと
「は?誰が泳げるって?」
ハルくんの声が耳の近くで、聞こえて、
いまの状況を思い出して熱くなる。
「………わ…たし。」
小さな声で言ったのに、ハルくんに聞こえたようで、鼻で笑われてしまった。
「お前の泳げるって言わないから、溺れてるっていうの。」
「……そ、んなことない」
「今度泳ぎ方教えてやるよ。」
「え…?」
「お前、水泳部なめんなよ」
水泳部…?
私がきょとんとしたのが後ろからでもわかったのか、
ハルくんはくるりと浮き輪を回して、私を向い合せにした。