手の届かないキミと


もう、何も変わる気がしないし、
そのほうがいいのかなって思えた。

ハルくんのようなキラキラした人たちの世界に、私が踏み込んでいいわけなんかないもん。

毎日教室で、ハルくんのことを見られるだけで、それだけで十分だ。


「あ!ハルおはよ!」

「ハルくんおはよ~」

ハルくんが教室までやってきた。

元気がある女の子はみんな、ハルくんにあいさつをする。

ハルくんは小さく手を挙げて応える。

いいな、私にもできたらなあ。


私みたいな地味な子は、ハルくんにあいさつなんてできないよ。

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