手の届かないキミと
「えーやっぱ夏だろ。だって休み長いし。」
「そこは冬だろ。」
チャラチャラした集団が、私の方に近づいてくる。
私の席は窓側の一番後ろの席で、私の隣の席はハルくんのお友達の西村くんの席だったりする。
西村くんもキラキラしてて、いくら隣の席でも、言葉を交わしたのは2、3回くらい。
それも事務的なこと。
きっと西村くんも私の名前はおろか、顔だって覚えてないと思う。
「なあ、ハルはどの季節が好き?」
いつもは教室に入ると真っ先に自分の席に行ってしまうハルくんだけど、今日は西村くんの席に来た。