手の届かないキミと


放課後、私は案の定、担任から雑用を頼まれていた。

もう、担任のパシリだなって、認めたくないけどそう思う。


私は額に浮かぶ汗を手の甲で拭った。

いくら夕方とはいえ、夏だ。

暑いに決まってる。

むしろこの時間帯がいちばん暑いんじゃないかって思う。


ふうっと溜息をついて、辺りを見渡せば、そこにはまだ私が退治しなければならない雑草たちがもうもうと生い茂っている。

どうして、よりによって草むしりなんだ。

仮にも担任は男子で、私は女子なのに…。




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