眼鏡男子の脳内デフラグ


「秋山くん」

「はい」



「これって、ずっとコレばかり打つの?」

「一度に全部やったら混乱しますから、
一日に一列ずつ進めましょう」



「んん?」

「今は指は家の中にしかいませんが、
明日からは少しずつ、お出かけしましょうってことです」


「なるほどー」



あなたは本当に

「素直ですね」

「そう?」



怒れば、すぐに落ち込んで

感動すれば、すぐに泣いて

なだめれば、すぐに機嫌が直って

教わったことを素直に取り組もうとする



「まっすぐな道を一緒に歩いている気分になります」

「そうかな…秋山くんは違うの?」



「僕は曲がり角だらけですから」

「え、そうなの?」


「ひねくれてるんです」

「また、そんなこと言う」


……え?



そして、いつの日かされたように

両手で頬を挟まれて

「角が多いほうが遠回りになるでしょ?
その分、景色を楽しまなきゃ」


……………


「あたし、遠回りするの嫌いじゃないよ?」


こんな時でも、相変わらず言葉は出てこないから


「……仲良しのしるしですか?」

「うん」




彼女にとって野口はウイルスです


「いつか、松井さんと遠回りしたいですね」

「まっすぐじゃないんだ?」



すみません

矛盾してますが、僕もウイルスみたいです



「……走りたい衝動に駆られますから、曲りくねった道でいいんです」


僕はおそらく、自己伝染機能タイプ



「…あまり根を詰めて練習はしないでくださいね。
少しずつでいいんです」


「うん。分かった」




頑張って彼女の中に侵入しないといけませんね

でも、そんなことできるのか



ーーしていいのか?



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