恋のカルテ
「……もしかして、これから先生の家に行くんですか?」
「そうだけど」
平然と言ってのける先生に向かって私は首を左右に振る。
「だめです、いけません」
いいながら後ずさりする私の腕は、まだ先生に掴まれたままだ。
「いいから早く乗れよ、誰かに見られると変な噂が広まるぞ。オレは全然構わないけど、高原は困るだろう」
先生は助手席のドアを開けると私を引き寄せて押し込む。
「いいか。追いかけるのは面倒だから逃げるなよ」
そう釘を刺してからドアをバタンと閉めた。