素直になれたら
第二章 嘘つき男
「架純ー!」「んー」「絆創膏持ってない?」「ごめん、もってない。どっか怪我したの?」「うん。さっき体育館で」「血出てるじゃん!待ってて!持ってくる!」「えっ?!ちょっ、架純ー?大丈夫だよー!」

 ー保健室ー
 「しつれーします」「…」あれ?先生いないんだ。ま、いーや。絆創膏もらいに来ただけだし。
それよりどこにあるの?絆創膏。

 「…」その時ー…。
「何か盗もうとしてんの?」「…」…?え、誰?「えっ?…」「だってお前必死に何か探してるから」「違うよ!!絆創膏探してるの!」「アハハッ!まじうける」「笑わなくたっていいでしょ?なんなの一体」「はいはい。」「…」「絆創膏ならあの白い箱の中だよ」「…え?あぁ、ありがと」
 
 何だ、優しいんじゃん。

 「…?」白い箱には薬が入っていた。
 コイツ!!

 「入ってないけど」「嘘」男は少し笑いながら言った。「はあ?ヒドい!」「お前の横にあるじゃん」「ないけど」「嘘」「は?」「アハハッ」

 何コイツ。私の事からかってる。

 「最低」

 私は急いで保健室を出た。


最初から職員室に行けば良かった。

 「友梨!はい」「ありがとー!!ごめんねっ」「ううん!」「あ、架純。今日帰りバスケ見て帰っても良い?」「いーけど、何で?」「ナツ先輩見たいの」「わかった!」

ー放課後ー
 「あー!いたいた!」「…。」

 バスケって格好いいよねー…。
 スポーツの中で一番格好いいと思う。
 あっ、あの人超上手い!
 かっこいいなー。
 「…ん?」
 ………あっ!!!
 保健室の嘘つき男だ!!
 何で寄りによってアイツなのよ!
 
 「…?」あれっ?携帯…
 「結希どーした?」「携帯…ない」「えっ!!?嘘っ、どこで落としてきたの」「わかんないっ」「もー、あ!屋上じゃない?」「あっ!そうかも!」「今、見てくる!」「結希!私結希の事待ってたらバス間に合わないから帰るね!」「うん!明日ねー!」「うん!」

 あー!もう最悪っ、
 何やってんの、私…。
 
 ー屋上ー
 「どこっ」

 本当に私ってバカ。

 あ!!思い出した!きっとあっちだ!!

 私はそこに向かい走り出した。

 その時ー…!

 「うわっ!」何かに足を引っ掛けてしまい転んだ。

 「ーっいった」

 転んだだけで怪我はなかった。

 ……?ちょっと待って?
 引っかかったのって足!!?
 誰の。?

 「ってーな、おい」「ーっ!!ごめんなさい」

 「あーーっ!嘘つき男」「あ?。あ、保健室の」「な、何でここにいんの。部活は?」「は?お前何で知ってんの」「今日見たから」「えっ、もしかしてストーカー?」「んなわけないでしょ!友達が好きな人いて」「俺のバスケに惚れたとか」「ーっ?!なわけないでしょ」「アハハッ、だよな、」

「そんな事より!携帯ないの!一緒に探してよ、」「やだよ」「お願い!」「はぁ。わかったよ」

 お願い!いい子だから出てきて!

 「つーかさー、俺の携帯からお前の携帯に鳴らせばいーんじゃね?」「あっ、そっか」
  
 「何番」「08012536924」

 ♪~ピロリンピロリン~♪

 うちの携帯の音!!

 「あった!」「良かった良かった」

 「本当にありがとう!!」「オッ」
 「ん?その大荷物何?」「あ?これ?」「うん」「チョコだよ」「へー、モテモテ♡」「そんなんじゃねーよ」

 思い出しちゃった…

 「私さ、昨日チョコあげたんだ」「おーどーだった?」「ダメだった」「バカじゃねーの?って言われちゃったんだよね」「ふーん。ま、でももう忘れろ。そんな奴。」「忘れたよ」「…」

 「これ手伝ってくんね?」「やだ」「あれっ、誰のおかげで携帯見つかったんだっけ?」「…っ。わかったよ」

 クソっ、コイツに勝てない。

 「おいしい!!」「……そ」「!?反応なしたの」「別に」「…」「俺、媚びてる奴本当無理なんだわ。つーかさ、俺にチョコくれた奴、俺と話したこともない奴もいるんだぞ?どーだと思う?よーするに俺の顔がタイプだったってだけだろ」「そーなるね」「それでワヤワヤやってさ。バカみてぇ」「…」「顔よけれゃ、誰でもいーのかよ。そーゆー奴マジ無理」

 きっと……元カノの話。

 私も…………中学の時。

 「私もあるよ!」「え?」「中学の時、人生で初めて告白されて舞い上がっちゃって付き合ったんだけど。その人浮気したんだ。」「で、別れよって言ったら、お前なんか元々好きじゃなかったって。お前が彼女だと自慢できるからつーだけ。って」

 「んだそれ、俺が今そいつのとこ行って殴りに行こうか?」「はっ?(笑)ばかやめてよ」「ふーん。お前も結構辛い想いしてんだな」「アハハッ、こんなもんどーってことないよ」「アハハッ、そっか」

 こんな笑顔…初めてみた。

 「やべっ、休憩時間終わる。じゃーな」「うん」

 ー次の日ー
 「架純!おっはよ」「んーおはよー」「携帯見つかった?」「あーうん。あったよ」「良かったね!」「うん」

「ナツ先輩さー、今好きな人いるのかな?」「わかんないけど、直接聞いてみれば?」「えー?無理っ」「私聞いてあげようか?」「えっ?いいの!」「うん」「ありがとー」

 プルルルルルルル~♪

 「はい」「もしもし?あのさ、ナツ先輩に昼休み屋上にきてほしいって伝えてくれない?」「え?なんで」「話したいことがあるから、じゃ!よろしくー」「ちょっ」

 ー昼休みー
 「来るかな?」

 その時ー…
 「あのー…、松田架純ちゃん?」「あっ、ナツ先輩」「うん!初めましてだよね?」「はい、友梨の友達の架純です!」「それでー、話って何かな?」「あのー、ナツ先輩って好きな人とかいるんですか?」「ー?えっ?♪いないよ」「そーですか!!♪すいません!話しそれだけなんで!それじゃっ」

 友梨!!やったね!チャンスだょ☆

 ー教室ー
 「友梨!ナツ先輩今フリーだって!」「本当に!?」「うん!良かったね!頑張って!」「うん!頑張る」

 ー部活(バスケ)ー 
 「はーい!!今から10分休憩!」「はーい!!」

 「あ、広斗!架純ちゃんだっけ?その子俺のこと好きなのかも♪」「…え?」「だって俺が今フリーって言ったらメッチャ嬉しそうだったからさ!告られたら即オッケーだよな!顔可愛いし♪」「それはないと思いますよ。アイツ振られたばっかですから」「えっ?そーなの?」「はい」「あっ!今日由井と遊ぶんだ~!」「……」

 ー放課後ー
「カラオケ楽しかったね~♪じゃあまた明日ー!」「うん!バイバーイ!」

 もう8時かぁ。

「あれ?」「…えっ!!」何っ不審者!?あれ?…「あー何だビックリした」「んだよ人のこと不審者扱いしやがって」「どーもすいませんでした」「本当だよ」「部活帰り?」「そ」「…」「途中まで帰ろーぜ」「あ、うん」「そーいえば名前なんて言うの?」「松村架純。そっちは?」「俺はー、川崎広斗」「良い名前!ねぇ、ヒロって呼んでい?」「いーけど」「じゃあ俺ここだから。またな」「え。(笑)嘘。私もここ」「え?マジ」「うん、ここの4階」「え!俺も」「えぇー、!!すっごいね、うちら」「こんな偶然あんのかよ」「これは奇跡では?」「確かに」

 と2人で馬鹿笑いしたー…。


「じゃーな」「うん!バイバイ」

   着信:友梨
   [ヤッホ!今日ナツ先輩に明日遊ぼうって誘われたの(*'▽'*)
 もー超嬉しい!]

   着信:架純
   [良かったね♪頑張ってね!!]

   着信:友梨
   [それでお願いなんだけど、付き合ってくれない?]
 
 「えー」

 ♪~プルルルルルルル~♪
 「もしもしー?」「もしもしー!ねー!お願い!」「嫌だ」「そこをなんとか!ねっ!」「……。もーやだよ」「今度大豆せんべい買うから!」「えー…。もー、しょーがないなー。いいよ!」「ありがと♡じゃ明日ね」「うん」

 もう、大豆せんべい買ってもらえるしまあ、いっか?

 ー翌日ー(放課後)
「はい!」「え?何?」「大豆せんべい♪昨日買っといたの♪」「えー!ありがと♪メッチャ嬉しー!」「本当好きだよね。おばあちゃんみたい!」「コラ!それ言うな!(笑)」「はーい(笑)」

 ーカラオケー
「…?」ちらっとナツ先輩を見るとずっと私の顔を見てニコニコしてる。

てゆーかここの個室広いなー。

それにしてもつまんないなー。
友梨はずっとナツ先輩と話してるし。
私帰ろっかなー。

その時ー…。
「架純ちゃんだよね?」「…え?。あ、あぁ。南くん?だよね」「うん。」「……?〃」

 な、なんか私の事ずっと見つめてくる。
ち、近いんだけど。

「ちょっ、南くん?〃」「あ、いやー。可愛いなー思って」「えっ?!」「架純ちゃんって今フリー?」「うん」「本当?じゃあ俺とつき合ってよ」「…はぁっ?。いやいや、無理っ」「えー?なんで」「なんでって無理だよ」「いーじゃん!ね?」

と言い私にもっと近づいてきたー…。

「ちょっ、!やめてっ」

 なんなの!?初対面で付き合ってくれって?普通挨拶してすぐ告る?

 あぁ、わかった。
 誰でもいいから彼女がほしかったって訳か。

 ふざけんな。

 「架純ちゃーん」といいベタベタ触って方。「ちょっと、マジでキモい!!」

と言い私は部屋を出た。

 「はぁ。」「ちょっと待てって!」「うわっ!!何でついてくんの?」「ちょっと!架純ちゃん!」

 と言い南くんは私の腕を強引に引っ張り2人同時に別の部屋に入ったー。

 入った瞬間に視界は揺れ、私はイスに思いっきり押し倒された。

 「いった!ー。」目を開けると上には南くん。南くんの腕が邪魔をして動けない。

「離して。」「ヤダ。」「何で?」「俺が付き合ってって言って拒否されたの架純ちゃんが初めてだから。新鮮でさ」「……」「お試しでとお?」「…無理っ、やっ」

南くんがさらに近くなってきたー…
ヤバい!!キスされる!!

私は余っていた力を全部出し切りその人の顔面を思い切り叩いた。

「いっーてぇ」その隙に部屋を出た。
「はっ、はっ、はっ。」

泣きながらただひたすら家に向かって走ったー…。

「………あ。」

今日鍵忘れた。
どうしよう…家入れない。

「はぁ…もう最悪。」

マンションの外で待っていた。

もう何分たったんだろう。

時計を見ると5時だった。

「はぁ。もうどうしよう。」涙はまだ止まらない。

その時ー…。
「吉岡?」「!!。ヒロ」「お前なした?そんなとこで。」「…。」「え、泣いてんの?大丈夫かよ」「…ん。平気じゃないよ、グスッ」「立てっか?」「うん」

こーゆー優しいところもあるんだよねー。

「ありがと」

「今日ね、」「ん?」「鍵忘れちゃって。家入れないんだ。」「俺んち来る?」「えっ、いーの?」「しょーがねーだろ」「あ、ありがとう!!」「フッ」

初めて、ヒロの家入るなぁ。
そして初めて男の人の家に入るなぁ。

「おじゃましまーす」「どーぞ」

ソファーに座った瞬間何か安心した。

「はい。レモンティー」「ありがと」「…で?何で泣いてたの?」「今日ね、カラオケ行ったんだけど、そこにいた南くんって人が、あ、初対面のひとね!その人に付き合おうって言われて、で、無理って言ってもしつこくてさ。」「うん」「それで、押し倒してきて、で、、」「で?キスされちゃった?」「されそうになったから、ぶったたいて帰ってきた!」「ブ、ア
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