【完】 Squall  ~いくつもの恋をして~



ドアが開けば、私に話しはもうないとばかりに前だけを見て歩みを進めていく。


「お疲れ様です」


「お疲れ」


正面玄関で挨拶を交しながら一度も振り返ることもなく駅へと向かう課長。


その背中を見つめながらどうやって話せばいいか。


何て言えばいい?


言い方間違えるとまた大変だ。



英語の方が伝わる?



「あーーーもう何なのメンドクサイ。」



いきなり止まった背中にトンとぶつかり顔面に衝撃があった。


「あ…すみません。ボーッとしていて」


慌てて頭を下げると


「何がめんどくさいって?」


顔を見上げれば優しい眼差しはなくちょっぴり冷たい課長の視線。



「か…課長」


頭の中の事柄がまとまる前に話しかけられては、もうしどろもどろ。


おまけに、冷ややかな視線を浴びて頭の中がもう真っ白。






< 245 / 453 >

この作品をシェア

pagetop