【完】 Squall ~いくつもの恋をして~
だけど、課長の手は私の頬を撫でたまま次の動きへ移る気配すら見せない。
「ねぇ」と言っても
「次はどうしてほしい?」
「いつもみたいにして」
「いつもみたいじゃわからない」
あくまでも甘く艶のある声だけれど
やっている事は鬼のようだ。
信じなかった罰を今与えられているのかもしれない。
「胸」
あくまでも単語で回避を考えた。
だけどシェフの権限は絶対的らしく
「胸をどうしてほしい」
逆に注文の詳細を求められた。
早く触れ合いたいのに
身体の奥がジンジンするのに
今まで通り大丈夫だからって抱きしめてほしいのに
私の罰は続行するらしい。
信じなかった罰。
電話に出なかった罰
拒否をした罰
せつなくなって涙がにじんでくると
「ごめんいじめすぎた」
浮かんだ涙を零さないよう唇で蓋をし
「愛してるよ」
オーダー制度は優しく幕を閉じた。