委員長に胸キュン 〜訳あり男女の恋模様〜
 それで私は「うふふ」と笑い、嬉しくてか、逆に悲しくてかは分からないけど、涙が出てきてしまった。


 それに驚いたのか、“悠斗”は膝立ちになり、長い腕を伸ばして私の肩に触れた。


「桐島さん……?」

「“玲奈”って呼んでよ!」


 つい叫んでしまったけど、悠斗が私を“桐島さん”なんて呼ぶわけない。だって、知り合った時から、彼は私を“玲奈”って呼んでたのだから……



「玲奈。どうして……」


 “どうして”?
 ……それはこっちの台詞よ!


「悠斗! どうして私を置いて行っちゃったの? ねえ、どうして?」


 私は悠斗に抱き着き、最も聞きたかった事を彼に言った。それはこの一年、何度も何度も考え、でも今だに答えが出ていない私の最大の疑問であり、“アイスクイーン”と呼ばれる程、私から感情を奪った憤りだった。

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