委員長に胸キュン 〜訳あり男女の恋模様〜
「もう寝てなくて大丈夫なの?」

「うん、もうすっかり良くなったから」

「そう? ん……熱も下がったようね」


 桐島さんが帰ると、それを待っていたかのように母は僕のおでこに手の平を当て、もう熱はないとわかると満足そうに微笑んだ。


「それにしても真琴さんったら、常識がないんだから……」

「え?」

「見ず知らずの女の子を部屋に入れるなんてさ」

「あ、ああ……」

「でも、あの子なら大丈夫ね。とても真面目そうな子だから」

「そ、そうだね」


 確かに桐島さんは眼鏡を掛けているし、どう見ても真面目に見えると思う。実際、彼女は真面目な人だと僕も思う。でも、あの時の彼女は違ってたなあ……

 僕はあの時、つまり僕に抱かれてキスをされていた時の桐島さんを想い、体が熱くなるようだった。あの時の彼女はとても可愛く、それと、何て言うか……妖艶だった。

 たぶん何かのスイッチが入ってしまったのだと思う。僕も、だけど。でも、まさか桐島さんにあんな一面があったなんて、びっくりだなあ。もし母が帰って来てなかったら、今頃僕らはどうなっていただろう……


「ねえ、聞いてる?」

「え? なに?」


 僕はボーっとしていて、母の話を聞いてなかったらしい。


「薬よ。今度からこっちを飲んで? 毎晩2錠よ?」


 母はそう言い、包装されたピンク色の錠剤を僕に見せた。

< 112 / 227 >

この作品をシェア

pagetop