委員長に胸キュン 〜訳あり男女の恋模様〜
 それから間もなくして夏休みに入った。桐島さんとはもちろん何も進展はなく、行動するのは夏休みが明けてからだ。と言っても、具体的にどう行動するかについては、今のところノーアイデアだけれども。


 夏休みの2日目。僕は東京の進学塾で夏期講習を受けるべく、普段学校へ行く時と同じような時刻にマンションを出た。出勤の仕度をした母に見送られて、というのも普段と同じ。ちっとも夏休みらしくはないけれど、今年は受験生だから仕方ないと思う。


 と言っても、普段とは逆方向の電車に乗り、いつもより長く電車に揺られるのは少しだけど新鮮に感じた。そして、初めて入った進学塾の建物も……


 誰か知ってる人はいるかなと思ったけど、今のところは1人も見なかった。もっとも、僕が知ってる人の数などたかがしれていて、実際は同じ高校の生徒がいたのに、僕がそれと気づかないだけかもしれないのだけど。


 午前の数学の授業を受けるべく、教室を探してそこに入り、さてどこに座ろうかなと教室の中を見渡した。細長いテーブルのような机が並んでいて、たぶん1つの机に3人まで座れるのだと思う。

 既にどの机にも最低1人は座ってるので、その横に座らせてもらうほかないわけだけど、あまり前の方は好きではないし、かと言って後ろ過ぎても黒板の字が見にくいだろうという事で、真ん中辺を見ていたら……あっ。

 初めて僕が知ってそうな人がいた。しかもその人は……なんと桐島玲奈さん! かな?


 机に1人ぽつんと座り、下を向いてテキストか何かを読んでる眼鏡を掛けた女の子がいた。はっきりとは判らないけど、桐島さんのように見える。

 僕はそれを確かめるべく、真っ直ぐ彼女へ近付いて行った。高鳴る胸の鼓動を覚えながら……

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