LOVE or DIE *恋愛短編集*
名残惜しくも、舞い戻って来た理性が働いてゆっくりと彼女を解放する。
少しうるんだ瞳と上気した頬が艶っぽかった。

「もうっ!」

と口を尖らせてパシッと左胸のあたりを叩き抗議の意を見せながら――、ぐ、と強い力で引かれたかと思うと、俺の頬で彼女の唇が短い水音を立てた。

「……あ」

「ほら、行こう!」

照れ隠しか、ニコリともせず目も合わせずに、何事もなかったかのようにさっさと公園の出口へ向かう彼女。
いそいそとその後を追う俺は、どんだけ締りのない顔をしていることだろう。





転勤、と聞かされた時、正直不安だった。

彼は距離が離れると意外とマメで、電話もメールもしょっちゅう出来たけど、それでも物理的な距離は埋まらない。
会えない1ヶ月、平気なフリをしてきたけど、結構しんどかった。

彼が野外でキスしてくる、なんて初めてで。
向こうもかなり我慢してたんだって、否が応でも伝わってきてしまう貪るような抱擁が……恥ずかしかった、けど、嬉しかった。
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