Fake love(1)~社長とヒミツの結婚契約書~
私は怜の使いだから、てっきり瀬川さんかと思ったけど。

全く見ず知らずの若い男性。


怜以上に体格が良く、長身で松平さんよりも黒いスーツを卒なく着こなしていた。


テーブルの上に大きなアタッシュケースを置いて、黒のサングラスを外して野性味溢れた切れ長の瞳で松平さんを射竦めた。



「お、お前は伊集院警視!?」




「久しぶりだな。松平…また、俺にぶちこまれたいのか??」



「…俺は何も…」


松平さんの態度が彼の登場で一転した。



「怜からの訊いた話によると、借金返済の話はもうついているはずだが、それでも『ドリームローン』の利子は詐欺に近い利子だよな・・・誘拐して金を取ろうなんて…今なら、見逃してやるが、どうする?松平」



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