Fake love(1)~社長とヒミツの結婚契約書~

―紗月side-

瀬川さんが裕也に腹部を刺され重傷を負った。幸い、命には別条なかった。


「ただいま」


怜が4日振りに部屋に帰宅した。
顔色が悪く、疲労感も漂っていた。

「怜…」


「瀬川のコトは心配しなくてもいい。今日も仕事帰りに見舞いに行った。意識もハッキリしてるし、父親の瀬川さんがずっと付き添っている」



「瀬川さんは私のせいで…」



「紗月君のせいじゃないよ」



怜は身重の私を気遣い、責任がないと言い切る。


「だって…瀬川さんを刺したのは裕也で…」


「そうだ。瀬川を刺したのは裕也だ・・・」


裕也は直ぐに警察に逮捕され、今は拘置所に勾留中。
< 264 / 355 >

この作品をシェア

pagetop