Fake love(1)~社長とヒミツの結婚契約書~
身重の私は、怜の身体を寝室まで運ぶコトは出来なかった。頼みの綱の瀬川さんは入院中。


私は『何があれば、気軽に相談してくれ』と言って携番とメルアドを教えてくれた敦司さんに連絡をした。


敦司さんと佑介さんが駆けつけて、二人がかりで怜を寝室のベットまで運んでくれた。

二人が連れて来た東亜医科大付属病院に外科医として勤務する弟の伊集院千歳さんが怜の処置に当たってくれた。


「怜の大切な片腕の瀬川が入院とは…怜も大変だな」


「瀬川さんが刺されたのは私のせいです。佑介さん」


「佑介お前は余計なコトを言い過ぎだ…」


「すまない。紗月ちゃん」


私達は3人はリビングのソファで千歳さんの診察結果を待っていた。



「お待たせ…」


「千歳…神楽坂の容体は?」


「あの…敦司兄さん…言っておくけど、俺は外科医だから。多分、過労だと思う…寝てれば治るよ。きっと」

多忙な怜に寝る時間なんてないはず。


「寝てればって…神楽坂は『レオン』の社長…会長職も兼任しているんだぞ・・・」


「敦司お前が怜の仕事も手伝ってやればいい」


「佑介…私に神楽坂の代わりが本気で務まると思ってるのか?」


「思ってない」





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