キミと帰る道






いますぐにでも、また『好き』って伝えたいのに。
伝えることができないのが、もどかしい。





あの日…両想いなんだってわかったときは、嬉しくて泣きそうだった。





だから、本当にもどかしくて。
早くまた両想いになりたくて。





…でも、それまでに光輝くんの気持ちが変わっちゃうんじゃないかって怖くなる。





「すずちゃん? 大丈夫?」




「っへ? あ、うん!
行こうか!」





心配そうに顔を覗き込んでくる聖羅ちゃんにそう返して、私たちは病院に向かって歩き出す。





記憶障害だから、いつかは思い出すって言ってた先生と光輝くんを信じるだけ。





光輝くんの怪我も早く治ることを信じるだけ。





…そう思ったら、夏まではなんとか待てそう。
でも、もしもこのままずーっと思い出さなかったら。





きっと覚えてくれるほうが先で。
また、1からのスタートだ。





だけど、覚えてくれるのは本当に嬉しいことだから。
それに光輝くんに、人のことをもっと覚えられるように一緒に進みたいな。





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