キミと帰る道
◇6 好きの気持ち
【◇6 好きの気持ち】





(すず)





この気持ちに気付いてから。





私の頭の中は藤谷くんでいっぱいで。
心も〝好き〟っていう気持ちになった。





だけど叶わないってわかってるから。
喉の奥がぎゅうっと痛むんだ。





「ねえ、すずちゃん!
今日お昼一緒に食べない?
ほら、優芽ちゃんも一緒にね!」





聖羅ちゃんが引っ越して来て、数日が立った。





あんなに暑かった夏は、いつしかどこかに行ってしまって。





街は赤色に染まってくる。





そして、気がついたら。
私と優芽ちゃんと聖羅ちゃんでいることが多くなった。





聖羅ちゃんと話すのは楽しくて。
苦にはならないけど。





…それは藤谷くんが絡むと別なんだ。





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