嫌われ者に恋をしました
このままでは捕まってしまう。出来るかどうかわからないが、いちかばちか突き飛ばしてみようと雪菜は心に決め、瀬川を睨みつけた。
「そんな反抗的な目をするなんて、俺の雪菜じゃないなあ。もう松田に染まってんの?早く俺の雪菜に戻さないといけないね」
瀬川が手を伸ばしてきたから、雪菜は思いっきり瀬川を突き飛ばそうとした。でも、雪菜の力では瀬川にかなうはずもなく、突き飛ばそうとした両手をいとも簡単にとられて封じられてしまった。
「自分から飛び込んできたの?乗り気だね?」
「ヤダ!ヤダッ!離して!」
そう言った時、「嫌なことは嫌って言え」と言った隼人の言葉を思い出した。怒っている隼人の横顔を思い出したら瀬川に触れられていることがたまらなく不快になって、自棄になって両手を思いっきり動かした。
じたじた暴れる雪菜を大人しくさせようと、瀬川は雪菜を壁に押し付けた。
「ヤッ!イヤーッ!」
悲鳴にも近いような声を上げた。雪菜が思いのほか大きな声を出したから、瀬川は苛々して無理やり唇を重ねてきた。雪菜は必死で頭を振って逃げようとした。
「イヤッ、ん……っ、やだあ!離してっ」
そう叫んだのと同時に扉がガチャッと開く音がして、瀬川はパッと手を離した。