嫌われ者に恋をしました
「でも、雪菜ちゃん、ちょっと影があるよね」
コイツ、意外とよく見てるな。
「……」
「借金抱えてるとかは勘弁だよ」
「そんなんじゃないよ」
「じゃあ家族関係かな?だから連れてきたの?俺、いつも以上に明るく振る舞っちゃったよ」
ウザいと思ったら、気を遣ってあんなにバカなことばかり言っていたのか。
「……気を遣わせて悪かったな」
「いや。今までの子と違って、俺は好きだよ、雪菜ちゃん。母ちゃんも気に入ってるみたいだし。……もう兄貴んち、うっかり遊びに行けないな~」
「来るな来るな、あと車も貸せない」
それを聞くと悠人は目を細めた。
「巨乳好きって雪菜ちゃんにチクるよ」
「俺は別に巨乳好きじゃない!」
「そうだとしても、俺が言ったら雪菜ちゃんはどう思うだろうね~?」
「……車、時々は貸してやるよ」
「最初からそう言えばいいんだよ~」
「チッ」
隼人は舌打ちをし、悠人はニヤニヤした。
「今までの兄貴の彼女ってさ、兄貴のことより兄貴のステータスが好きだったじゃん?でも、雪菜ちゃんは兄貴のことが好きなんだと思う」
「……」
「傷つけたらダメだよ」
「傷つけるわけないだろ」
「まあ、兄貴は真面目だから、大丈夫だと思うけどね」
「そんなことが言いたくて呼んだのかよ」
「まあね。雪菜ちゃんのこと、大事にしてよ。俺だって兄貴には幸せになってほしいんだよ」
「……戻るぞ」
「へいへい」
いつもふざけた雰囲気の悠人が雪菜のことを見抜いていたことも、実は自分のことを心配していたことも、なんだか照れ臭くてむず痒く感じた。