嫌われ者に恋をしました
こんなに気分の悪いことだったんだ……。そう思ったら、また自己嫌悪に陥って叩きたくなったが、目を閉じて奥歯を噛み締めて、衝動が去るまでじっと堪えた。
「……どうして、私なんかのために……」
「わからない?好きだからだよ。雪菜のことが好きだからだよ」
その言葉は胸に深く刺さって、痛くて痛くてまた目の中に涙があふれて視界が歪んだ。
「雪菜」
隼人は雪菜を抱き寄せて、腕の中に閉じ込めた。
「愛する雪菜に嫌われたから、俺は死んでしまったよ?生き返らせてくれないの?」
「?」
「生き返らせる呪文、あるだろ?」
「??」
「雪菜にしか言えない呪文があるよね?」
呪文だなんて、またそんな無邪気なことを言って……。
でも、隼人さんは私に嫌われたら心が死んでしまうって前に言っていた。それなのに、私、あんなことを……。ここは頑張って呪文を唱えないといけないのかな。
「……隼人さんを……愛してる」
言葉にしたら、自分の言葉なのに自分の胸に刺さった。本当に呪文なのかもしれない。愛してるって気持ちが次から次へとあふれてくる。
「愛してる。隼人さんを愛してる!」
雪菜が何度も言ったから、隼人はフッと笑った。
「俺も愛してるよ。……ありがとう。おかげで生き返ったよ」
隼人は雪菜を抱き締めた腕に力を込めてから少し離して微笑みかけた。