嫌われ者に恋をしました
「海外事業部に行くことは前から決まっていたんですか?」
「なんとなくね。でも、海外に行くかどうかまでは決まってなかったんだ」
「そうでしたか……。でも、どうしてドイツなんですか?」
「テコ入れしてほしいんだってさ。かなり業績落としてるからね。組織の在り方自体を今回は見直すから、なかなか大変かもしれないな」
そんなことしたら、また嫌われちゃう。この人は嫌われる役目ばっかり。
「また嫌われてしまいますね……」
「確かに、新しい人間が来て組織を見直すなんて言い出したら普通は嫌だろうね。まあ、仕方ないよ」
隼人は首をすくめて微笑んで見せた。
ふと見たら街灯がとても綺麗だったから、雪菜は少し立ち止まって隼人を見つめた。
「隼人さん……」
「ん?」
「たとえ隼人さんが世界中の全員から嫌われてしまっても、私はあなたの味方です」
「……雪菜?」
隼人は少し目を大きく開いて、視線をまっすぐ隼人に向ける雪菜を見つめた。
「何があっても、私は最後まであなたのそばにいます」
しばらくじっと見つめた後、少しだけ人通りがあったのも気にせず、隼人は勢いよく雪菜を抱き締めた。
「雪菜!俺も何があっても最後まで雪菜のそばにいる。絶対に離さない。30年、40年たって煎餅食いながらゲラゲラ笑う雪菜が見たい」
「……何ですか?それ」
「雪菜の全部を愛してる。過去も未来もどんな雪菜も全て」
それは?私が将来ありがちなオバサンになってしまっても大丈夫ってこと……?どんな私でもいいってことかな?
「私も隼人さんがおじさんになっても、おじいさんになってもずっと愛してますよ」