嫌われ者に恋をしました
見上げると隼人は少し自嘲ぎみに微笑んだ。
「俺はもうオッサンだよ?」
「隼人さんはまだオッサンではありません」
「そう?」
「そうです!でも、オッサンになったとしてもずっと大好きなのです」
「じゃあ、お互い安心して一緒に歳をとろう」
隼人はイタズラっぽく爽やかに笑った。なんだろう、この清々しい解放感と安心感。でも、なるべくとんでもないオバサンにはならないように努力しよう……。
「……そういえば隼人さん、ドイツ語喋れるんですか?」
「いや、ほとんど喋れないよ」
「……」
「一緒に習いに行こっ!」
「はい」
二人で顔を見合わせて微笑んだ。この瞬間も幸せ。
遠い国に行く話をしているのに不思議と全然怖くない。一緒にいれば辛いこともきっと乗り越えられる。
愛し愛される喜びを教えてくれた、私の愛する嫌われ者。思う存分、みんなから嫌われればいい。どんなに嫌われたって私はあなたのそばにいる。
あなたのそばで、あなたをずっと愛してる。
【完】
