嫌われ者に恋をしました

 営業所によってこんなに雰囲気が違うんだ。でも、本部にいても、課によって全然雰囲気は違うかもしれない。

 営業課と経理課も全然違う。仕事の内容も違うけれど、女性の人数が違うから、というのもあるのだろうか。経理課ではことさら女だからと言われることもなく、仕事がしやすいと雪菜は感じていた。

 監査の作業は着々と進んで、あっという間にお昼の時間になっていた。

 雪菜はどうしようか迷いつつ、お昼は内勤の時と同じく、お弁当を持って来ていた。今まで出張の時は持って来なかったが、やっぱり人と食べるのは苦手だし、何よりも隼人と一緒に食事に行くのはまだ怖かった。

 でも、最近隼人は苛々しなくなって、雪菜は少しほっとしていた。この間隼人が仲末営業所の所長に食ってかかった時は、もうずっと苛々したままになるんじゃないかと怖かった。

 きっと、課長は真面目だから、あの所長の態度が許せなかったんだろう。

 もしかしたら、あの食事の時も、触られたことを黙っていたことが許せなかったのかもしれない。不倫なんて、曲がったことが許せなかったのかもしれない。

 課長はまっすぐで真面目な人なんだろう。雪菜はそう自分を納得させていた。
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