近未来少年少女



『ナカジ、そーゆー生き方疲れない?』


俺は歩く足を止めた

『な、なにが?』

ナカジは少し動揺していた

俺は人の生き方に文句を言える程正しく生きていないし、人に偉そうに説教する程賢くもない

でも………………


『お前今まで自分の事偽ってきたんだろ?』

『………』


『人の期待に応えて誰かの顔色伺って……それで自分自身を苦しめてきたんじゃねーの?』

ナカジは下を向いて黙ったままだ


『なのに、なんでまた何かに気使って生きてんの?』
俺はさらに続けた


『ナカジ……
もう正しく生きなくてもいいんじゃないの?』

『た、正しく………?』


……………

『別にいいじゃん、利口じゃなくても。
誰かに媚売って自分の居場所作るんじゃなくてさ、理由がなくても一緒に居れる仲間作ろうよ』


相手に何も求めず、相手からも求められない

そんな理由がなくても一緒に居られる仲間が本当の仲間だと思うから


ナカジは暫く沈黙になった後、静かに口を開いた


『僕には無理だよ。僕みたいに弱い人間は強い人に守ってもらうしかないんだよ』


『そんな事……』


俺が言葉を言いかけた時、ナカジはポツリと言った


『僕はユウキ君みたいに生きられない。もう僕に説教するのは止めてよ』


……………………
………
……ナカジ……



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