近未来少年少女



“カシワギとメグ”

仲が悪いんだか良いんだか、よく分からないな


メグは俺の前をスタスタと歩く

『あんた今までどこに行ってたの?』

歩きながらメグが呆れた


『リーダーの所…ってか俺…』

『リーダー?』

『あっ、ダイキの所。あ、あのさメグ……』


『へぇ…ダイキの事リーダーって呼んでるんだ』


つーか俺に喋らせてよ…

ってか人の話し聞けよ、なんて本人には言えないけど……

『んで?あたしが何?』

メグがクルッ振り向いた


ちゃんと聞いてるじゃん……まったく


『…メグごめん。
俺自分勝手に家飛び出したりして…』

俺は足を止めメグに謝罪をした、すると速攻で返事が返ってきた


『あたしがそんな事気にすると思う?』

メグはニィと笑って見せる
それを見て俺はメグの人間性も見えた気がした


『それと、俺ミノルの事少し思い出したよ』


本当に少しだけど……

俺の言葉を聞いたメグは
ただ一言、

『そう』と優しく微笑んだ


メグはいつも俺の一歩先にいる

常に自分のペースで
困惑する事もあるけど


全てを受け入れてくれるような、そんな空気を持っていた


俺を突き放したと思えば寄ってきたり、相変わらず接するのは大変だけど……


だけどメグは本当に色んな事を知ってるんだな

さっきの事も意味深だったし………


『ねぇ……
カシワギって何か秘密があるの?』

メグとカシワギの別れ際の会話、どう考えても不自然過ぎる


『あー馬鹿だからね、あいつは』

馬鹿だからって……答えになってないし

俺が言い返そうとした時、メグは空を見上げまるで遠くを見るような…何かを振り返るような目で


『本当に……本当に馬鹿よ』と呟いた


気のせいかな?
メグの顔が切なそうに見えたのは………


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